敏感肌の方のための洗濯の仕方
4児の母で洗濯研究家の平島 利恵です。
敏感肌の方や、お肌が弱いご家族がいらっしゃる方にとって、直接肌に触れる衣類の「洗濯」や「洗剤選び」は悩みの一つではないでしょうか。
私自身も、子どもの肌がとても弱かったので、洗濯研究家として活動する前は、洗濯に悩み、とても気を使いながら試行錯誤していました。
敏感肌の方の肌への刺激を減らすためには、衣類を清潔に洗うことがとても大切です。
でも、衣類を清潔に洗うための「洗剤の選び方」や、「洗濯の仕方」にはコツがあります。
今回は、敏感肌の方に知ってほしい、『正しいお洗濯術』を解説します。
もしかすると、今まで気づかっていたことと全く違うアプローチもあるかもしれませんが、新しい視点から洗濯を見直すきっかけになると嬉しいです。
洗剤選びの前に敏感肌の方の「洗濯の仕方」を変えることが大事
敏感肌の方は、洗剤を使わずにお洗濯されたり、お肌に優しいマイルドな洗浄力の洗剤を選ばれることが多いと思います。
実は私もそうでした。
「マイルドな洗剤に変えたのに肌トラブルが収まらない」と悩み、様々な洗剤を試しましたが、その中で気づいたことがあります。
それは、『衣類自体に汚れが残っているのではないか』という疑問です。
特にお肌が弱い方は、保湿剤などを日常的に塗っているため、衣類に汚れが蓄積しがちです。
皮脂の汚れ・保湿剤の汚れを洗濯でしっかり落とし、清潔に洗うことで、お肌への負担を減らせるのではないかという新しい視点に気付きました。
敏感肌の方の洗濯の仕方で大切なのは衣類に汚れを残さないこと
ボディソープや石けんのように、直接お肌を洗うものは、低刺激で優しい成分のものの方が良いと思います。
でも、洗濯においては、”衣類の汚れ”をしっかり落とすことが大切です。
身体から出る汗・皮脂・角質などのタンパク質汚れは、洗濯機にかけるだけでは落とし切ることが難しい汚れです。
皮脂汚れが蓄積した衣類には、汚れをエサに雑菌が繁殖しやすくなります。
汚れが蓄積した不衛生な衣類が、直接肌に触れ続けることこそ、お肌が敏感な方にとっては好ましくないことなのではないでしょうか。
清潔な衣類を身に着ける。
そのためにキーになるのが洗剤の「洗浄力」です。
洗浄力が高い=肌負担が大きいのではないかと考えるのが一般的だと思います。
洗浄力の高い洗剤を使いながら、お肌への負担も減らすためには、汚れだけでなく洗剤成分を衣類残さない「正しい洗濯」を意識しましょう。
敏感肌の方のための洗濯洗剤の選び方3選
衣類に付着し、蓄積した汚れを落とすためには、洗浄力の高い洗剤でしっかり汚れを落とすことが大切です。
敏感肌の方のための洗濯洗剤の選び方1:しっかり汚れが落ちるかどうか
直接肌に触れる下着や衣類には、皮脂・汗・角質などのタンパク質汚れが蓄積します。
この汚れは水に溶けにくい性質のため、いつものように洗濯機にかけるだけでは落とし切れず、衣類に残ってしまうことがあります。
皮脂の汚れをしっかり落とすためには、洗浄力の高いアルカリ性粉末洗剤を選ぶのがおすすめです。
おしゃれ着は洗い分けを
洗浄力の高いアルカリ性洗剤は、ニットやデリケートなおしゃれ着には使用できません。
おしゃれ着と普段着は洗い分けをしましょう。
敏感肌の方のための洗濯洗剤の選び方2:香料など洗ったあとに刺激が残るかどうか確認
お肌の敏感な方にとっては、刺激になるものは人それぞれです。
洗剤を変えた後は、香料や成分などでお肌に影響が出ていないか、刺激はないか、確認するようにしましょう。
洗剤を変えたことで悪影響が出てしまった場合や、洗剤を変えるのが不安という方は、この後紹介する「洗濯の仕方の見直し」から試してみてください。
敏感肌の方のための洗濯洗剤の選び方3:洗浄力がなさすぎるのも問題
お肌が弱い方にとって、洗浄力のマイルドな優しい洗剤は安心材料になると思います。でも、洗浄力が弱すぎると、衣類に汚れが蓄積し、不衛生な状態になってしまいます。
洗浄力が高い洗剤を使うと、洗剤残りや肌への刺激が心配という方も多いと思いますが、洗浄力が高い洗剤洗剤を使ったとしても、洗剤成分を衣類に残さないように洗濯すれば、お肌への影響・負担を減らすことができるのです。
敏感肌の方向けの洗濯方法7選
敏感肌の方の洗濯では、衣類に汚れも洗剤成分もどちらも残さないよう、清潔な洗濯を意識することが大切です。
敏感肌の方向けの洗濯方法1:洗濯槽を清潔に
清潔な洗濯の基本は、清潔な洗濯槽を保つことです。
この写真のようにカビだらけの洗濯槽で洗濯をしていては、お肌への刺激を避けることはできません。
洗濯槽裏の汚れは目に見えません。
もし、こんなにカビだらけだと分かっていたら、すぐにでも掃除をしますよね。
洗濯物に黒いカスがつくようになってから掃除をするのでは遅すぎます。目に見えない場所だからこそ、月に一度、専用クリーナーで掃除する習慣をつけましょう。
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敏感肌の方向けの洗濯方法2:洗濯物は8分目までに
衣類を清潔に洗うため、衣類量を減らしましょう。
■衣類量の目安
縦型洗濯機の場合:8割まで
ドラム式洗濯機の場合:5~7割まで
衣類を詰め込みすぎると、水流の力でもみ洗うことができず、つけ置きをしているだけの状態となってしまいます。
詰め込みすぎは、汚れが残るだけでなく、シワの原因にもなります。
忙しい中で、洗濯を1度で済ませてしまいたい気持ちも分かりますが、洗えていなければ洗濯にかけた時間もコストも労力もすべて無駄になってしまいます。
どうしても衣類をあと1枚入れたいときは、高水位に設定しましょう。
洗濯ネットの正しい使い方衣類を洗濯ネットに入れるときには、1枚のネットに衣類も1枚、畳んで入れます。その際、ネットは衣類とピッタリ同じ大きさのものを使いましょう。 ただし、ネットに入れると汚れ落ちが悪くなるので、肌着などの汚れが蓄積しやすい衣類には使用しないほうがよいでしょう。 |
敏感肌の方向けの洗濯方法3:洗いの時間は10分以上
敏感肌の方の衣類を洗濯する際は、洗い時間を10分以上に設定します。
保湿剤や軟膏を使用している場合は13分に設定するのがおすすめです。
ワセリン・プロペトが蓄積した衣類の洗い方ワセリンやプロペトを使った保湿剤や塗り薬を使用していると、肌着がベタベタしたり黒ずんでしまうことがあると思います。 ※洗濯表示の液温の上限(桶の中の数字)を必ず確認します。 |
敏感肌の方向けの洗濯方法4:すすぎの回数を増やす
敏感肌の方に一番試してほしいのは、すすぎの回数を3回以上に増やすことです。
汚れと洗剤成分をしっかりすすぐことで、お肌への負担・刺激を減らしましょう。
すすぎの回数を増やすと衣類がより清潔に洗い上がり、衣類の蓄積汚れや雑菌の繁殖を防ぐこともできます。
お肌トラブルにお悩みで、洗剤を変えるのが心配‥という方は、まずすすぎの回数を3回にすることから初めてみてください!
敏感肌の方向けの洗濯方法5:柔軟剤は無香料のものがおすすめ
柔軟剤は、衣類の繊維をコーティングし、肌触りを柔らかくします。
そのため、お肌が弱い方や赤ちゃんの衣類に使用されると、肌への刺激を減らすことができます。
柔軟剤を使用する場合、注意点が3つあります。
1つ目は香料です。
柔軟剤に含まれる香料は、肌への刺激になる場合もあります。
その場合は、無香料の柔軟剤を選択すると安心です。
2つ目は、使用しないほうがいい衣類があるということです。
柔軟剤は、繊維をコーティングするため、タオルや衣類の吸水性を下げてしまうことがあります。
吸水性の下がったタオルで肌をこすってしまうと肌の負担になりますし、肌着の吸水性が下がるとかいた汗を吸い取ることができません。
タオル類や肌着には使用しないほうがよいでしょう。
3つ目は、汚れを落としてから使用するということです。
柔軟剤は、繊維をコーティングするため、汚れが残った衣類に使用すると、汚れを引き寄せ、汚れごとコーティングしてしまいます。
柔軟剤を使用する場合は、必ず汚れをしっかり落とした清潔な衣類に、規定量を計量して使用しましょう。
着心地の良さにフォーカスしたRinennaの柔軟剤Rinennaの柔軟剤は、着心地の良さと衣類を長持ちさせることにフォーカスした柔軟剤です。 あえて無香料とし、香料を配合しないことで、洗濯後の衣類への残留成分(香料に含まれる油分など)を抑え、より気持ちの良い仕上がりに導きます。
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敏感肌の方向けの洗濯方法6:洗濯後はすぐに干す
清潔な洗濯をするためには、衣類に雑菌が繁殖するのを防ぐことも大切です。
残念ながら、洗濯をしても衣類の雑菌をゼロに減らすことはできません。
洗濯物が「濡れたまま」「洗濯槽の中に放置」された状態が続くと、残った雑菌が繁殖し、不衛生な状態になってしまいます。
洗濯後はすぐに洗濯槽から出す習慣をつけ、風通しの良い場所で干しましょう。
雑菌の繁殖を防ぐためには、早く乾かすことも大切です。
衣類同士の間隔はこぶし1つ分あけ、衣類と衣類の間に風の通り道を作るように干しましょう。
敏感肌の方向けの洗濯方法7:保管は清潔で湿度の低い場所に
敏感肌の方は、ホコリやダニの影響も受けやすいため、保管場所にも注意が必要です。保管場所は埃が少なく、清潔で湿度の低い場所を選びましょう。
衣替えから出したばかりの衣類や、買ったばかりの衣類も一度洗ってから着用します。
まとめ
お肌が敏感な方の洗濯で大切なことは、衣類を清潔に洗うということです。
そのためには、
- 洗浄力の高い洗剤で汚れをしっかり落とす
- 洗濯槽を清潔に保つ
- 衣類量を減らし、よく洗う
- すすぎは3回以上行い、洗剤成分・汚れを残さない
- 洗濯後はすぐに干し、雑菌の繁殖を防ぐ
という5つのことが大切です。
特に、「洗濯槽洗浄」と「すすぎの回数」はとても重要です。
今すぐに洗剤を変えるのが不安という方はまず、この2つから見直してみてください。
洗濯槽洗浄は、通常の場合で月に1度、石けん洗剤をお使いの場合は、1~2週間に1度のペースで行います。
すすぎの回数は、3回以上に設定しましょう。
直接肌に触れる衣類を清潔に保つことで、衣類への負担・刺激を減らすことができます。
もっと詳しく知りたい方は、こちらの動画もご覧ください。