洗濯研究家・クリーニング師の平島利恵です。四児の母として日々の洗濯に向き合いながら、家庭で実践しやすい洗濯のコツをお伝えしています。
雨の日や、忙しくて干す手間を減らしたい時に活躍してくれるのが衣類用乾燥機ですよね。
共働き家庭の増加に伴い、乾燥までできるドラム式洗濯機や乾太くん等のガス乾燥機を入れるご家庭も増えています。乾燥機があれば「干す」という工程を一つ減らすことができ、家事の負担を軽減できます。天候はもちろん、花粉、黄砂、ゲリラ豪雨などに左右されず洗濯でき、部屋干し臭を予防できるというメリットも。
今回は、便利な乾燥機の機能の違いと正しい使い方を解説します。
乾燥機には「ガス式」と「電気式」がある
衣類乾燥機には、ガスと電気で乾燥させるガス式、電気だけで乾燥させる電気式の2種類があります。
ガス式は、乾燥コストが低く、高温でしっかり・短時間で乾かせるというメリットがあります。ただし、設置場所に電源だけでなくガス栓も必要になるため、追加で設置する場合は工事が必要になり、場合によっては設置できないケースもあります。一方電気式は工事不要なので、賃貸住宅にお住まいでも設置可能です。
| ガス式 | 電気式 | |
|---|---|---|
| 本体価格 | 7〜22万円 | 4〜14万円 |
| 設置工事 | 必要 | 不要 |
| 乾燥コスト | 約50〜100円 | 約100〜200円 |
| 乾燥時間 | 約30〜50分 | 約60〜150分 |
| 乾燥温度 | 80〜100℃ | 50〜75℃ |
| 乾きムラ | ◎ | 〇 |
| 衣類への負担 | △ | △ |
※あくまでも目安です。機種、乾燥量、ガス・電気料金により変動します。
電気式の乾燥方式「ヒーター式」「ヒートポンプ式」の違いを詳しく
電気式の乾燥方式は大きく2種類あります。
ヒーター式:ヒーターで80℃前後まで空気を温めて、温められた空気を洗濯槽内に送り乾燥させる方式です(ヘアドライヤーのように乾かすイメージです)。乾燥温度が80度前後と高温になるので、衣服の傷み・縮みなどが発生しやすいものの、除菌効果や厚手の衣服もしっかり乾かせるという特徴もあります。洗濯槽が高温になるため、乾燥中・乾燥後も温度が下がるまでドアを開けることはできません。
ヒートポンプ式:ヒーター式よりも省エネで、衣類への負担が少ないのがヒートポンプ式です。湿気を含む空気を機外に出して除湿し、乾いた空気を60℃前後の温風にして乾燥させる方式です。除湿に冷水を使うため、電気代に加えて水道代もかかります。主にドラム式乾燥機で採用されている乾燥方式です。
| ヒーター式 | ヒートポンプ式 | |
|---|---|---|
| 本体価格 | 低い | 高い |
| 乾燥コスト(1hあたり) | 1〜43円 | 2〜24円 |
| 乾燥時間 | △ | 〇 |
| 衣類への負担 | 高温のため傷み・縮みの可能性有 | 低温のため負担が少ない |
※あくまでも目安です。機種、乾燥量、ガス・電気料金により変動します。
電気代を節約しながら乾燥機を上手く使うコツ
3kgの洗濯物を乾かすコストは約90円
乾燥機を使用する際、気になるのは「コスト」ではないでしょうか。ランニングコストを抑えたい方は、効率の良いヒートポンプ式の乾燥機を選ぶのがおすすめです。
節約のための3つのポイント
- フィルターはこまめに掃除する乾燥フィルターに埃が詰まると乾燥時間が長くなり、電気代が無駄にかかります。使用後に掃除する習慣を。
- 少し乾かしてから乾燥機に入れる一度部屋干しして少し乾かしてから入れると、使用時間を抑えコストを減らせます。ただし部屋干し臭が出る5時間以内に乾燥させること。
- 電気代の安い時間帯に使うピーク時間外や深夜時間帯の利用も効果的。ただし乾燥後の衣類をそのまま放置するのはNG。生乾き臭・シワ防止のため、乾燥後はなるべく早く取り出しましょう。
【安全のために必ず知っておいてほしいこと】油の付いた衣類は発火の恐れ
美容オイル・食用油が付着した洗濯物は乾燥機で発火することがあります。美容オイル(オリーブオイル、アーモンドオイル等)、食用油、動物油などは、空気に触れると酸化して熱が発生します。この熱を酸化熱といい、蓄積して温度が上昇することで自然発火することがあります。取り出した後でも、長時間放置すると残った油が酸化熱により発火する恐れがあります。
引用:独立行政法人製品評価技術基盤機構「1.アロマオイルの自然発火」https://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01250101.html /「電気・ガス乾燥機の事故」https://www.nite.go.jp/data/000004826.pdf
油汚れは落とすのが難しい汚れで、洗濯機にかけるだけでは残ってしまうことがあります。洗濯後でも残った油汚れから酸化熱が発生する恐れがあるため、油が染み込んだ衣類・タオルは絶対に乾燥機にかけないでください。万一付着してしまった時は、しっかり油を落としてから乾燥させることが大切です。
乾燥機の正しい使い方
衣類用乾燥機は簡単に使えるので「なんとなく」使っている方も多いかもしれません。正しい使い方を知ることで、生乾き臭やシワを予防したり、効率的に乾燥できますよ。
乾燥機の使い方【基本編】かけてOKな素材・容量・入れ方
洗濯表示を確認:乾燥機にかける前に、必ず洗濯表示で確認しましょう。
乾燥機にかけてはいけないものは?乾燥OKの洗濯表示でも、乾燥機にかけると縮みやすい素材があります。
- 縮みやすい素材:綿・麻など
- 縮みにくい素材:ポリエステル・混紡製品など
- 使用不可の素材:革製品・毛皮・シルク・レーヨンなど
乾燥容量は洗濯容量の約半分が目安:ドラム式洗濯機で注意したいのは、洗濯容量=乾燥容量ではないということ。一般的に乾燥容量は洗濯容量の半分ほどです。適正な衣類量で乾燥機にかけることで、乾燥ムラを防ぎ、節電効果も見込めます。洗濯物の量を減らすと衣類をしっかり洗えるので、汚れ落ちも改善します。
ボタンやファスナーはきちんと留めて:開けたまま乾燥機にかけると、ボタンやファスナーが破損する恐れがあるだけでなく、他の衣類を傷つけてしまう可能性もあります。
からみやすいもの・小さいものはネットに入れる:乾燥ムラをふせぐため、基本的にはネットから出すほうがよいでしょう。ただし、デリケートなものや赤ちゃんの靴下・ハンカチなどの小さいもの・薄いものはドラムの隙間に入り込む可能性があるため、ネットに入れる方が安心です。
素材ごとに分けて乾燥する:素材により最適な温度・乾燥時間は異なります。化繊と木綿、厚物と薄物などは分けて乾燥すると効率よく乾きます。
乾燥が終わったらすぐに取り出す:乾燥直後は温度も湿度も高い状態なので、乾燥機内に放置すると生乾き臭やシワを招く恐れがあります。早めに取り出しましょう。
乾燥機の使い方【応用編】ふんわり・肌触り・シワ対策
ふんわりさせたい場合:少し天日干しをした後、乾燥機で5〜6分乾燥するのがおすすめ。特に綿のTシャツはゴワゴワ感がなくなり、ふんわり仕上がります。乾燥機の使用をおすすめしたいのがタオル。パイルが空気を含み立ちあがるので、ふわふわに仕上がります。
肌触りをよくしたい場合:ニットやサマーセーターは、はじめに乾燥機で15分ほど乾かした後、陰干ししましょう。着心地がよくなります。
シワを少なくしたい場合:シワを減らしたいときは、30分ほど乾燥機で乾かした後、天日干しするのがおすすめです。
- シワになりやすい素材:麻・レーヨン・綿など
- シワになりにくい素材:ウールやポリエステルなど
シワになりやすいものは、乾燥機で30分ほど乾燥させた後すぐに取り出してつり干しを。最後まで乾燥機で乾かすよりシワを軽減できます。また、乾燥容量のMAXまで詰め込まず半分ほどに減らすこともシワ予防に有効。おしゃれ着・シャツは乾燥容量の5割程で乾燥機にかけましょう。
乾燥機はダニ駆除・除菌にも有効【番外編】
乾燥機の高温乾燥を利用すれば、ダニの駆除や除菌にも効果があります。
ダニが気になる寝具に:ダニは熱に弱く、60度以上の熱を加えることで死滅させられます。乾燥機の温度は弱でも65℃ほど。ダニが気になる寝具は定期的に高温乾燥でケアしましょう。大きくて入らない布団などはコインランドリーを活用するのがおすすめです。
生乾き臭の予防に:衣類やタオルの生乾き臭はモラクセラ菌という雑菌の繁殖によるもの。モラクセラ菌は熱に弱く、60℃以上で10〜20分程高温乾燥させることで死滅させられます。汗をかいた服、生乾き臭が気になるタオル、赤ちゃんの布おむつなどは高温乾燥で除菌しましょう。
パワフルなガス乾燥機「乾太くん」を詳しく知りたい方はこちらの動画をご覧ください。
毎日の洗濯を楽にする、便利な乾燥機。正しい使い方で、洗濯物をよりキレイに仕上げましょう。
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