洗濯研究家の平島利恵です。
デニム、なんとなく洗っていませんか?
洗濯をすると、思ったより早く色が抜けてしまう。
乾きにくくて、部屋干し臭が気になる。
ウエストや裾が、少しずつ伸びてきた気がする──。
デニムは丈夫なイメージがある一方で、洗い方の影響をとても受けやすい衣類です。
「頻繁に洗わないほうがいい」と聞いたことがある方も多いかもしれませんが、実はポイントさえ押さえれば、家庭洗濯でもきれいを保てます。
デニムでトラブルが起きやすい理由

デニム特有の悩みは、素材の性質に理由があります。
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染料が落ちやすい
インディゴ染料は繊維の奥まで染み込まず、摩擦や洗浄で少しずつ落ちます。 -
生地が厚く、乾きにくい
水分が残りやすく、ニオイや型崩れの原因になります。 -
重みがある
濡れた状態では特に重く、干し方次第で伸びやすくなります。
だからこそ、「洗う前・洗い方・干し方」の3工程が重要です。
正しいデニムの洗い方・実践ステップ
どのくらいの頻度で洗う?

「デニムは洗わないほうがいい」という説もありますが、
汗や皮脂を放置すると、生地の劣化やニオイの原因に。
目安は2〜3回履いたら1回洗う。
夏場や汗をかいた日は、毎回洗っても問題ありません。
「洗いすぎ」より「洗わなすぎ」のほうが、
実はデニムを傷めることが多いのです。
ジーンズの種類によって扱いが変わります
- 一般的なデニム:2〜3回履いたら1回洗うペースで問題なし。
- 新品・濃色デニム:最初の数回は必ず単独洗い。色落ちチェックも忘れずに。購入直後は色移りしやすいため注意。
- ダメージ加工のデニム:穴が広がりやすいため、できるだけ手洗いを推奨。洗濯機を使う場合はダメージ部分が内側になるようにたたんでネットへ。
- 生デニム(リジットデニム)・ビンテージもの・高価なジーンズ:風合いや色味を守るため、手洗いまたは専門クリーニングへ。自宅洗いは色落ちや縮みのリスクがあります。
洗う前の準備|色落ちと摩擦を防ぐ

まずはここが一番大切です。
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色落ちチェック
新品や濃色デニムは、洗剤液に10分ほどつけて色が出ないか確認します。
色が出る場合は、必ず単独洗いに。 -
裏返す
表面の色あせ・擦れ防止に加え、ポケット部分の乾きも良くなります。 -
ネットに入れる
たたんでネットに入れることで、洗濯中の摩擦を最小限に。
洗濯機で洗う|洗剤の選び方
デニム洗いで迷うのが洗剤選び。「色を守りたいか、汚れを落としたいか」で使い分けるのがポイントです。
デニムの洗濯におすすめ
おすすめ中性のデリケート衣類用洗剤。洗浄力を保ちながら、染料へのダメージを最小限に抑えます。色落ちしやすいデニムを、きれいに・長く保ちたい方に。蛍光増白剤・漂白剤不使用。
No.8を見る・購入する
汚れをとにかく落としたいとき
汚れ重視アルカリ性の高洗浄力洗剤。泥汚れや皮脂汚れをしっかり落としたいときに。ただし色落ちのリスクがあるため、色を守りたい場合はNo.8を推奨。
#1を見る・購入する洗濯表示に反した方法でのご使用は、生地へのダメージや色落ちが起きる場合があります。表示に従わない場合は自己責任となりますのでご注意ください。
その他の洗い方ポイント

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コースは「弱水流」または「おしゃれ着コース」
摩擦と色落ちを最小限に抑えるため、弱水流コースを選びます。洗濯機によっては「デリケート」「手洗い」コースでもOK。 -
水温は常温(水)で
温度が高いほど色落ちが進みやすくなります。お湯は避けてください。 -
脱水は1分程度で止める
長時間の脱水は色落ちや型崩れの原因に。短時間で止めてすぐ取り出すのがポイント。 -
洗剤は適量で
入れすぎると色落ちが進みやすくなります。 -
泥汚れがある場合
乾かしてからはたき落とし、洗剤液で部分洗い・つけ置きをしてから洗濯機へ。
干し方|色あせ・伸びを防ぐ仕上げ

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陰干しが基本
直射日光は色あせの原因。風通しの良い日陰を選びます。 -
筒干しで空気を通す
筒干し用ハンガー、またはピンチハンガーで筒状に。 -
ウエストを上に
裾から吊るすと重みで伸びやすいため、ウエスト側を上にします。 -
裏返しのまま干す
ポケット内部までしっかり乾かせます。
ニオイが気になるときは?
デニムの生乾き臭は、乾燥不足が主な原因。
筒干しで内部までしっかり乾かすことが一番の対策です。
洗濯をして、汗や皮脂を溜め込まないことも大切です。
動画で見る|ジーンズは洗わない方がいい?
「ジーンズは洗わない方がいい?」論争に、洗濯研究家の平島が回答しています。
>YouTubeチャンネル「洗濯研究家 平島利恵」で他の動画も見る
洗濯研究家・平島利恵からのアドバイス
デニム洗いで失敗しやすい原因は、
「丈夫だから大丈夫」と思って、他の衣類と同じ扱いをしてしまうことです。
色落ちは止めるものではなく、ゆっくり進ませるもの。
摩擦を減らし、乾かし方を整えるだけで、デニムの表情は驚くほど変わります。
忙しい毎日でも、
「裏返す・ネットに入れる・干し方を変える」
この3つだけで、十分に差が出ます。
デニムは消耗品ではなく、付き合い続ける衣類です。
正しく洗えば、
色も形も、自分らしく育っていきます。
今日の洗濯から、ひとつだけでも取り入れてみてください。
洗濯が、少しラクに、少し楽しくなるはずです。
この記事を書いた人

平島利恵
洗濯研究家 / 株式会社Heulie代表 / クリーニング師
東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げる。2013〜2015年NY在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗剤の着想を得て帰国し、洗濯洗剤と布ナプキンブランド"Rinenna"を展開。現在、洗濯研究家として「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。
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