そもそも漂白剤とは
みなさんは、洗濯の際に漂白剤を使用していますか?
ワイドハイターやオキシクリーンなども漂白剤ですが、意外と知らずに使っている方もいらっしゃるかもしれません。
「漂白剤」と聞くと、何でもかんでも白くしてしまうイメージがありますが、そうではありません。
漂白剤を正しく使うと、
- シミや汚れを取り除くことができる
- 衣類全体のくすみをとることができる
- 衣類に残った雑菌を殺菌・消毒することができる
- 生乾き臭や汗臭などの嫌なニオイを取り除くこともできる
といったメリットも沢山あります。
ただし、漂白剤は使い方を間違えると、衣類を傷めたり、風合いを損ねたり、脱色したりする原因となってしまいます。
また、「洗濯の際に必ず漂白剤を一緒に入れている」という方も、注意が必要です。知らず知らずのうちに、衣類の繊維に負担がかかり、衣類の繊維が薄くなったり破けてしまったり、衣類ダメージの原因となっている可能性もあります。
大切な衣類の風合いを損ねることなく、キレイに長く着続けるためには、衣類に合わせたお洗濯が欠かせません。
今回は、漂白剤の正しい使い方や、洗剤と漂白剤の違いについて解説します。
洗濯洗剤と漂白剤の違いとは
衣類の黄ばみ・黒ずみを落とし、白くしたいときには漂白剤を使う、という方も多いと思います。
漂白剤と洗剤はどちらも衣類の汚れを落とす作用がありますが、汚れを落とすメカニズムが異なります。
洗剤の汚れの落とし方
洗剤は、界面活性剤が汚れに吸着し、衣類の繊維から汚れを引きはがすことで、汚れを落とします。
漂白剤の汚れの落とし方
漂白剤は、化学反応でシミや汚れの色素・汚れ自体を分解することで、汚れを落とします。
大まかにいうと、洗剤は汚れを浮かせて落とすのに対し、漂白剤は化学変化で汚れ自体を分解します。
漂白剤の方が汚れを落とす効果は高いものの、汚れを分解する過程で衣類の繊維への負担も大きくなります。
どちらが良いということではなく、汚れの質・種類や、衣類の繊維に合わせ、使い分けをすることが大切です。
塩素系?酸素系?漂白剤のタイプの違いとは?
漂白剤には、「塩素系漂白剤」と「酸素系漂白剤」があります。
同じ漂白剤ではありますが、使用できる衣類が全く異なります。
誤って使用すると、脱色で衣類をダメにしてしまうので、使用前に、酸素系か塩素系のどちらの漂白剤か、必ず確認しましょう。
塩素系漂白剤とは
- 主成分は次亜塩素酸ナトリウム
- 漂白・殺菌力が強く染料まで脱色するため、白物にのみ使用可
- 強いアルカリ性のため、綿・麻・ポリエステル・アクリル以外の繊維には使用不可
- 刺激臭があり、酸性の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する
酸素系漂白剤とは
- 成分は過酸化水素や過炭酸ナトリウム
- 染料を脱色しないため、色柄物にも使用可
- 殺菌力があり、生乾き臭を防ぐ
- 金属と反応すると、繊維を傷めることがある
塩素系漂白剤にはご注意
塩素系漂白剤の特徴
塩素系漂白剤は、漂白・殺菌力が強いため、トイレ・お風呂・キッチン用などの用途で使われることが多く、衣類用で使われること多くありません。
強いアルカリ性で、色柄物を脱色してしまうため、衣類や皮膚につかないよう、注意が必要です。
強い刺激臭がするため、使用の際には必ず換気を行います。
酸性のものと混ざると有毒ガスが発生するため、塩素系漂白剤を使った後は成分が残らないよう、水で良く洗い流しましょう。
殺菌力が高いため、ウィルス性の菌が付着した衣類の殺菌に使用することもできます。
よくある塩素系漂白剤の失敗①黄ばみ
白いYシャツに塩素系漂白剤を使うと、襟袖が黄色く変色してしまうことがあります。
Yシャツの襟袖は、型崩れを防ぐための芯地を樹脂で接着しているものがあり、塩素系漂白剤による化学反応で、樹脂が黄ばみとなってしまうのです。
洗濯表示には「漂白剤の使用可否」が書かれているので、使用前には必ず確認しましょう。
よくある塩素系漂白剤の失敗②ゴムのゆるみ
塩素系漂白剤を使用すると、パンツなどのゴムが緩んでしまうことがあります。
これは、ゴムに使用されているポリウレタンが漂白剤の影響で傷み、伸縮性が損なわれてしまうことにより起こります。
ポリウレタンは塩素系漂白剤により黄色に変色もしてしまうため、ポリウレタンを含む衣類には塩素系漂白剤の使用を避けるようにしましょう。
よくある塩素系漂白剤の失敗③日焼け止めの変色
日焼け止めに含まれる紫外線吸収剤は、漂白剤と反応してピンクやオレンジ色に変色すること場合があります。(特に塩素系漂白剤は要注意!)
日焼け止めがついている可能性のある衣類は、漂白剤の使用は控えましょう。
塩素系漂白剤、これに使っちゃダメ!
- 色柄物
- 毛・絹・ナイロン・アセテート・ポリウレタンの繊維
- 金属の飾り付けやファスナー
これらの衣料に塩素系漂白剤を使用すると、脱色や繊維・生地の劣化を引き起こします。白物であっても使えない繊維・素材もあるので、必ず洗濯表示を確認しましょう。
塩素系漂白剤で脱色してしまったものは、元に戻すことができません。
洗濯表示を確認し、「酸素系のみ」「漂白禁止」の衣類は白物であっても使用できません。
塩素系漂白剤で落とせる汚れの種類について
※白物に限る※
- 食べ物・飲み物などの食べこぼし
- 黄ばみ・黒ずみ
- 汗・血液などの汚れ
- 衣料品についた菌・ウィルス
- カビ
色あせや繊維の損傷を防ぐために、洗濯表示とパッケージの表記に従い、適切な濃度と処理時間を守ることが重要です。
特に色物の衣類やおしゃれ着などのデリケートな素材には使用できないので、少量でも付着しないよう、注意が必要です。
POINT 塩素系漂白剤を使った殺菌方法 塩素系漂白剤は、ノロウイルスなどの殺菌の用途でも使われます。 |
塩素系漂白剤の基本的な使い方
つけ置き洗いの場合
- 塩素系漂白剤を規定量の水で薄め、30分ほどつけ置き洗いします。(2時間以上のつけ置きはNG!)
- ゴム手袋をつけ、水でしっかりすすぎます
- 洗濯機で脱水し、干します
洗濯機洗いの場合
洗剤に漂白剤を加えて、洗濯機にかけます。
投入口は洗濯機により異なるので、取扱説明書を確認しましょう。
※いずれの場合も、白物以外と混ぜて洗濯はできません。
塩素系漂白剤を使う際の注意点
- 漂白剤を使用する前に、必ず洗濯表示を確認する
- 白物以外の衣類に使用すると、脱色してしまう可能性がある
- 酸性の洗剤と混ぜるのは厳禁!有毒ガスが発生する
- 刺激臭があるため、使用する際は換気する
- 素手で触らず、必ずゴム手袋を着用する(皮膚に付着した場合は、大量の水ですぐにしっかり洗い流す)
- 熱湯で使用しない
- 使用量・温度・使用時間を守る
扱いやすくておすすめ!酸素系漂白剤
酸素系漂白剤の特徴
酸素系漂白剤は、酸素が反応し、汚れが分解されます。
塩素系より漂白・殺菌力は弱いものの、染料を脱色せず、汚れの色素や汚れ自体を落としやすくすることが出来ます。
色柄物にも使え、黄ばみや食べこぼし、全体的なくすみなどを落としたいときに便利です。
除菌・殺菌力もあるため、衣類に残った雑菌対策で使うと、生乾き臭などの嫌なニオイを防ぐこともできます。
粉末と液体の違い
酸素系漂白剤には、「粉末」と「液体」のものがあります。
同じ「酸素系漂白剤」ですが、性質が異なるため、使える衣類も異なります。
使用する前に、必ず商品パッケージ裏側の「用途」を確認しましょう。
粉末タイプ | アルカリ性 | 絹・毛などの動物性繊維には使用不可 |
液体タイプ | 酸性 | 動物性繊維にも使用可 |
よくある酸素系漂白剤の失敗①衣類の破れ
粉末の酸素系漂白剤の成分である過炭酸ナトリウムは、金属と化学反応を起こし、周りの繊維を傷めてしまうことがあります。
チャックやボタン、装飾などで金属が使われている衣類をどうしても漂白したいときは、適量より薄めに使用しましょう。
よくある酸素系漂白剤の失敗②金属塗料の色抜け
衣類には、金属の塗料が使用されていることがあります。
気づかずに漂白してしまうと、金属塗料の部分だけ色落ちしてしまうことがあります。
酸素系漂白剤を使う場合も、漂白前は必ず洗濯表示を確認し、大切な衣類は目立たない場所で色落ちのテストを行いましょう。
POINT 色落ちテストの手順 漂白剤をお湯に溶かし、濃いめの液を作ります。 |
よくある酸素系漂白剤の失敗③密閉したことによる爆発
酸素系漂白剤は、保存をしている状態でも少しずつ酸素を発生させます。
そのため、市販のパッケージには空気が外に漏れ出るよう、穴が開いているのです。
これをガラス瓶やペットボトルなどの密閉容器に保存すると、酸素が充満し、破裂・爆発することがあります。
酸素系漂白剤は、詰替えをせず、買った時の容器で保管するようにしましょう。
酸素系漂白剤で落とせる汚れの種類について
- 襟袖の黄ばみ・黒ずみ
- 食べ物・飲み物(コーヒー、紅茶、ジュース、赤ワインなど)の汚れ
- 汗・血液などの汚れ
- カビ
酸素系漂白剤は色柄物にも使用ができます。
汚れの色素を分解することで、衣類そのもののくすみをとったり、衣類に残った雑菌を殺菌することで、ニオイを防ぐ効果があります。
衣類の色や繊維に対し、比較的穏やかな影響しか与えないため、色あせの心配が少なく、様々な用途で利用できます。
ただし、衣類の洗濯表示やパッケージの表記を確認し、指示に従うことが重要です。
酸素系漂白剤の基本的な使い方
酸素系漂白剤の使い方は簡単ですが、繊維を傷めないためには、使用量・温度・使用時間を守ることが大切です。
必ずパッケージ裏側の使用方法を確認しましょう。
液体タイプ
■シミ抜き
気になる汚れに直接塗布し、すぐに洗濯機にかけます。
汚れがひどい時は、塗布した後、ぬるま湯で30分ほどつけ置きしてから、洗濯機にかけます。
■普段の洗濯にプラス
洗濯の際、洗剤に漂白剤を加えてから洗濯機にかけます。
投入口は洗濯機により異なるので、取扱説明書を確認しましょう。
粉末タイプ
ぬるま湯に漂白剤をつかし、つけ置き洗いします。
40℃以上のお湯を使うことで、漂白効果が高まります。
つけ置き後は、洗濯機にかけて洗います。
酸素系漂白剤を使う際の注意点
- 漂白剤を使用する前に、必ず洗濯表示を確認する
- 金属との化学反応で衣類が破れることがある(綿素材は要注意)
- 使用量・温度・使用時間を守る
- 必ずゴム手袋を着用する(皮膚に付着した場合は、すぐにしっかり洗い流す)
- 容器を移し替えしない(密閉容器に保管すると破裂の恐れあり)
傷めたくない衣類の黄ばみ・黒ずみを落とすならリネンナ
漂白剤は、化学反応で汚れそのものを分解しますが、その際に汚れの周りの繊維まで傷めてしまうことがあります。
洗濯のたびに頻繁に漂白剤を使用すると衣類の繊維をに負担がかかるため、おしゃれ着などの大切な衣類を長持ちさせたい場合は、リネンナの洗剤を使ったシミ抜きがおすすめです。
リネンナはもともと、赤ちゃんの布おむつのウンチ汚れをもみ洗いなしで落とすことを目指し、開発した洗剤です。
身体から出る汚れにフォーカスし、タンパク質分解酵素をふんだんに配合。
もみ洗いすることなく、汚れを繊維から浮かせて落とすことができるため、繊維への負担が少ないのが特徴です。
赤ちゃんから安心してお使い頂けるよう、安全な成分にこだわり、色柄物にもお使い頂けます。
洗濯洗剤Rinenna #1 (リネンナ) |
リネンナの洗剤を使ったシミ抜き例
リネンナの洗剤は高い? 一見高そうに感じるRinennaの洗剤ですが、1kgの大容量で、水2Lに対して20gの使用となるため、黄ばみ・黒ずみを落とすスペシャルケアとして毎週一度使うならば、1年間は持つようになっています。 |
おしゃれ着の食べこぼし、油シミを落としたいならRINENNA#ZERO
リネンナは弱アルカリ性の洗剤です。
おしゃれ着の洗濯表示を見ると、「中性洗剤使用」や「漂白NG」という衣類も多くあると思います。
中性洗剤は、衣類への風合いを損ねることなく洗濯ができる反面、汚れ落ちもマイルド。
その悩みを解消するために開発したのが、おしゃれ着用洗剤RINENNA Pro #ZEROです。
油性汚れに特化し、必要な成分だけを超濃縮配合しているので、おしゃれ着用洗剤にも関わらず、油由来のシミをしっかり落とすことができます。
落としたい汚れに、スポイトで1ショット垂らすだけでOK!
つけ置きの時間も不要なので、シミがついてしまったらすぐに使って落とすことができます。
おしゃれ着洗剤 RINENNA Pro 0 #ZERO 100g |
どうしても落ちない黄ばみには#ZEROとRinenna#1の合わせ技
RINENNA Pro #ZEROとRinenna#1はフォーカスしている汚れが異なります。
どうしても落ちない汚れや黄ばみには、#ZEROとRinenna#1の合わせ技がおすすめ。
#ZEROを塗布した後、#1でつけ置き洗いすることで、油由来の汚れにも、ヒト由来の汚れにもどちらにも働きかけ、繊維を傷めることなく汚れをスッキリ落とすことができます。
ご自宅で、クリーニングレベルのシミ抜きを簡単にできるのが、リネンナの洗剤です。
漂白剤のまとめ
今回は、漂白剤の種類と使い方、洗剤と漂白剤の違いについて解説しました。
酸素系・塩素系漂白剤の違いは以下の通りです。
■塩素系漂白剤
- 漂白力・殺菌力が強く、衣類用で使われることは少ない
- 白物にしか使えない
- 酸性の洗剤と混ぜると有毒ガスが発生する(必ず換気する)
■酸素系漂白剤
- 色柄物にも使える
- 金属と化学反応を起こし、衣類が傷む恐れがある
漂白剤を使う際は、特に以下の3点に注意しましょう。
- 洗濯表示を必ず確認する
- 使用量・温度・使用時間を守る
- ゴム手袋をつける
また漂白剤と洗剤は、どちらも衣類の汚れを落とすために使いますが、落とすメカニズムが異なります。
漂白剤が汚れの色素ごと化学反応で破壊するのに対し、洗剤は界面活性剤が汚れに吸着し、繊維から汚れを引き剝がします。
洗剤を使うか、漂白剤を使うかは、衣類や汚れの種類に合わせましょう。
落としたい衣類の種類によって使い分けをすることがおすすめ
衣類についた汚れを落とすためには、汚れ・繊維に合った洗剤・漂白剤を使い分けることが大切です。
デリケートな衣類やおしゃれ着、お気に入りのお洋服の風合いを損ねることなく、しみ抜きをするためには、是非Rinenna#1とRINENNA Pro #ZEROをお試しください。
汚れはついてすぐに対処するのが鉄則です!
大切な衣類のお守りとして、ご家庭にRinenna#1とRINENNA Pro #ZEROを常備してみてくださいね。
筆者紹介
洗濯研究家 平島 利恵
大学卒業後、株式会社リクルートに入社。じゃらんのEC事業に携わり、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC 事業を展開。2013~2015 年NY 在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗剤の着想を得て帰国。株式会社 Heulie 設立。洗濯洗剤と布ナプキンブランド”Rinenna”を展開。洗濯研究家として、「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。